高効率な先端外科手術を広範囲に提供するためには手術手技の一般化が重要となります.特に若手外科医を対象とした手術手技トレーニングシミュレータによる高効率な先端外科手術のトレーニングを提供することが医療基盤の底上げにつながります.外科トレーニングに重要な点は「手術手技環境の再現」と「トレーニング効果の可視化」です.本研修室ではトレーニングシミュレータの開発,手技の定量評価手法の確立およびカリキュラム構築というトレーニング環境から実用化までのプロセスを網羅した研究を行っています.

Fri, 2013-10-04 01:18 -- admin

大動脈ステントグラフト留置における術前評価と術中画像誘導をする統合支援システムの開発

 

1. 背景・目的

ステントグラフトとは大動脈瘤径の拡張を防ぐためにグラフトを挿入しステント骨格で抑えるデバイスである.合併症を回避するための血流の温存には分岐部に対するステントグラフトの位置と回転を正確にコントロールする必要がある.ステントグラフトの位置についてはシース挿入時の前後方向の移動量により決まり,また回転量については挿入前のシースへのステントグラフトの装填角度に依存する.本研究ではステントグラフトの正確な留置を支援する統合システムの開発を目的とする.

 

2. 方法

(a)体外式評価シミュレータ: ステントグラフト内部にセンサを4カ所(先端1点, グラフトの周方向に3点)に取り付け,6DoFの情報をトラッキングする.これらが作る三角形の姿勢からステントグラフトの回転角度を算出し,評価する.

Fri, 2013-10-04 01:04 -- admin

1. 背景・目的

膝前十字靭帯損傷の再建術は,国内では年間1万5千例程度行われている.前十字靭帯損傷の治療では健常な自己腱を採取して再建治療が行われており,臨床で満足できる人工靭帯がない.本研究では,我々が開発してきている動物由来組織から細胞成分を除去して低抗原化する組織無細胞化技術を駆使し,ヒト前十字靭帯損傷の治療に必要なサイズの長さ16cmの腱の無細胞化を実現することを目的とした.また,無細胞化処理が腱の繰り返し負荷に対する力学的特性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.